2014年5月21日水曜日

若者の投票率は上げれる!松山市選挙管理委員会の取り組み(大学への期日前投票所設置など)

若者の投票率の低下。若い人は投票に行かない。
そのような”迷信”が叫ばれて久しい。

自分は以前より若者の政治への参画意識は高まっており、
投票率も決して下がってばかりではないと主張してきました。

今回の参院選においても見えてきた、「若者の投票率の低下」という嘘 
衆院選の低投票率をよみとく 「異常じゃない投票率と雑な争点」

2回連続若者の投票率が増加している松山市

 そんななか、愛媛県の県庁所在地である松山市では、
昨年の参議院選挙、そして先月27日に行われた市議会議員選挙と、
2回連続20代前半の投票率が上昇しています。

参議院選挙

市内有権者約20万人の年齢別投票率を調べると、20~26歳だけが0.29~1.87ポイント上がっており、若年層の向上傾向が浮き彫りになった。 他の世代の投票率は前回2010年の参院選より下がっているのに対し、若者の投票率は上がっている。

そして、先日の市議会議員選挙

 ほかの世代のほとんどで、前回の市議選に比べて、投票率が下がっているにも関わらず、
 20代前半の投票率は前回より増加しています。


繰り返します。
他の世代の投票率が下がる中、若者の投票率が上がっているのです!!

投票率向上に向けた、松山市選挙管理委員会の取り組み


では、なぜ若者の投票率があがったのか。
他の地域と違い、松山の地でのみ、このような変化がみられるのか。
それは松山市選挙管理委員会や愛媛県選挙管理委員会のみなさんの
熱意と行動によることは間違いない。
自分は、今年の2月に松山に行った際に、担当の職員の方や、緒に活動している学生の方の、
話を聞いた。
その時に聞いた話も含めて、取り組みを紹介します。

<大学内への期日前投票所の設置>

松山市は市内にある松山大学のキャンパス内に、
昨年の参議院選挙から、期日前投票所を設置している。

全国初、キャンパスに期日前投票所を開く大学 : 参議院選挙(参院選)2013 : 読売新聞

今年の市議会議員選挙においても、同様の取り組みを行っている。
しかも、前回通りに行うだけではなく、より良いもの、つまりは学生が利用しやすいものへと、
進化をさせている。
投票所を設置する場所を学内のより学生が通ることが多い学食の側へと移したり、
学生食堂のテーブルに手作りのテーブルポップを置いて、その中に選挙公報を立てる選挙カフェという取り組みを始めたりと、
どんどん進化しています。

<選挙コンシェルジュ>

「松山大学内の期日前投票所づくりや啓発活動の企画立案を選挙管理委員会とともに行う学生スタッフ 」
を選挙コンシェルジュとし、選挙管理委員会と共に活動を行っている。

選挙管理委員会の方や、大学の教授・職員の方と連携し、
期日前投票所の運用や、啓発動画の作成を行っています。

実際に自分も松山に行った際に選挙コンシェルジュのみなさんと話しをさせていただいたが、
かなり積極的かつ自主的に活動をしている印象を受けた。

選挙管理委員会の方が、かなりしっかりと活動について考えている印象。
選挙管理委員会から学生への押し付けにならないように学生の意見を引き出し、
活動を意義のあるものにするように、
努力されていた。


行政の方の熱意こそが若者の投票行動を引き出した

では、これらの活動の結果として、若者の投票理向上へとつながったのか。
もちろん、そうだが、それだけではない。
なにより、行政の方の熱意が若者を動かしたのだと思う。

もちろん、大学内の期日前投票所は学生にとってはすごく便利だ。
実際に他の期日前投票所と違い、利用者に占める若者の割合はかなり高い。
同世代である選挙コンシェルジュの活動によって、投票に行こうと思った人も多くいるだろう。



でも、そこには行政の方の熱意があってこそということをしっかりと認識をしなければならない。
熱意が大学や学生を動かし、さらには直接の関係性を持たない市内の若者全体に
波及したのである。

大学内への期日前投票所の設置も一朝一夕に実現したわけではないそうである。
実現に向けて交渉をされた行政の方は、選挙管理委員会以外の部署にいた時も、
積極的に大学と連絡を取り合い、投票率向上に向けた出前講座の実施などを行っていたそうである。
松山市だけでなく、県選挙管理委員会も同様に松山大の法学部の授業と連携して、
投票に関する学生の意識調査を行うなどしている。
学内に期日前投票所を設置するという案は、この調査から出てきたものだとか。

そして選挙コンシェルジュ任命にあたっては、学生が正式に参加することを決める前に、
名刺を作り手渡すなど、学生にとって嬉しくモチベーションもあがる
準備をやっていたそうである。

これらの熱意があるから、大学・学生は動く。

さらに、これらがニュースや口コミなどにより市内の若者に伝わった。
そして熱意を受けて投票行動へと変わっていくのである。


熱意を届ければ、受けた側は動く。

一連の投票率向上へ向けた行政の取り組みにより、若者は何を感じたか。
「あ、なんか俺らのこと気にしてくれてる」
「投票率あげるために、新しいことをどんどん仕掛けてるんだ」

と思う。
”本気で若者のことをみているぞ”

本気で自分のことを気にかけてくれる相手に、
応えようとする人は多いだろう。

そして、”政治に興味がないわけではないが、投票にいくほどではない”
若者は「投票」という行動を起こすことになる。


本当に若者の投票率をあげたいなら。若者に政治に興味を持ってもらいたいなら。
さらには、若者に自分に投票してほしいなら。
行政・政治はもっと真摯に若者と向き合うべきだし、
熱意を向けるべきだ。
自分たちの思い込みは論理をまとった、
上っ面の行動で動くほど、
若者もバカではない。
(最後は自分の活動への自戒も含めて・・・)